第一回国際介護看護人材とのトークセッション

「アジアの力を日本へ届ける」コンサルタントの中西です。

「第一回国際介護看護人材とのトークセッション」が 2日間にわたり開催されました。

初めてのイベントとあって、フィリピンから来日したトレーニング生はとても緊張した様子でした。

参加者は1日目が25名程度、 2日目が20名程度で、なかなかいい雰囲気でイベントが開催できたと思います。

ご多忙の中ご参加頂いた方々には、この場を借りて重ねてお礼申し上げます。

第1回国際介護・看護人材とのトークセッション

今回は社会福祉法人の施設長や理事、専門学校などの方々にご参加いただき、外国人人材の育成や受け入れ方法に関して、くったくないご意見を交わしあってもらいました。

 

外国人人材によるプレゼンテーション

生徒たちによるプレゼンテーション

30分ほどのプレゼンテーションでしたが、フィリピンでの日本語学習のみでここまで日本語でプレゼンテーションが出来るのかと、参加者の方々は驚かれていました。

自分に置き換えて考えた時、英語の勉強を始めて10ヶ月程度で、30分のプレゼンテーションを専門家の前でやれと言われたらどうでしょう?

それは、なかなか大変な事だと思います。

生徒との意見交換

トークセッションは、フィリピン人人材へ参加者から様々な質問をしていただきました。

特に日本側の方々の関心が高かったトピックは、フィリピンの介護事情と、日本で介護職が勤まるのかという話題でした。

  • フィリピンの平均寿命
  • フィリピンでは老人介護をどのように行っているか?
  • フィリピンには介護施設はあるか?
  • 認知症患者に対する対応
  • 人が亡くなった場合のフィリピンでの対処の仕方
  • 入所者が亡くなった場合の心構え
  • なぜ他国ではなく日本を選んだのか
  • 日本で定住して働く気持ちはあるか
  • どのように日本語特に漢字の能力を伸ばしたか

主催側としては、日本語能力に関しての質問が中心になるかと予想していましたが、その予想は良い意味で裏切られました。

参加者の中のEPA で来日をした外国人に対し講義を行なっている専門学校の先生からは、今回来日中した生徒たちの日本語能力はEPAで来日をした人材と比べても高いというご意見を頂きました。

また日本語学校の先生からは、日本語学校に在籍する生 と比べても、高い日本語能力を有していると感じる、というご意見を頂きました。

他の参加者からはこんな意見も。

日本人の介護職員でも高齢者の言葉を理解するのは難しいので、いずれにしても外国人を活用するには、施ごとで研修が必要になる。

現在外国人技能実習の介護に関して検討されている、日本語能力N4で入国をして1年間でN3を目指すというレベルの日本語能力で、介護を任せられるか心配。

といった、施設ごとの取り組みが必要な課題も意見として出ました。

 

また他には今回来日した外国人人材と、現在施設で活躍中の職員や在留外国人職員との比較もありました。

その中ではこんな意見が、。 現在施設で働いている職員と、今回来日した外国人人材では、元々の持っているスキルが違うので、単純な比較は出来ない。

今回来日した外国人人材は、フィリピンでナースの資格を持っているので、一般人よりももちろん医療知識が高いので、入所者に 対する対応力が違うのではないか?

といった、現職職員との比較をする意見もでました。

様々な意見交換がされましたが、やはり一番の課題は職員の確保。

 

しかし現実的には、現状の入管法では介護職での在留資格は認められてはいないので、今回来日した生徒たちが介護職での在留資格の取得はできません。

この生徒たちは看護の道に進み、ターミナルケアの出来る人材として育成をしていきます。

 

外国人人材の活用には、まだまだ多くの課題と検証が必要かもしれませんが、人材が必要な国は日本だけでは無いという事を理解しておかなければいけません。

外国人人材の受けれ側はさらに多くの問題共有をし、早急な受け入れ制度の確立と外国人人材の育成、活用方法を確立していかないと、優秀な人材の獲得競争に乗り遅れてしまいます。

次回は6月末頃にフィリピンへの視察ツアーを開催し、7月には今回と似た形式のイベントを開催しようと思います。

ご興味のある方はお問い合わせ下さい。

 

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