「アジアの力を日本へ届ける」コンサルタントの中西です。

どのようなスキルを持った外国人人材が必要なのか?を考えると、おそらく大半の企業は、人手不足を補うための外国人人材が必要だと考えると思います。

しかし私の考える最も必要な外国人人材はというと「高度人材」です。 高度人材とは、高度な仕事をする人材です。 分かりやすい表現をすると、マネジメントが出来る人間を指します。

どうしても今の日本の中での外国人人材の活用は、数合わせのためにという感じを受ますが、それはそれでいいと思うのですが、そういった人材をしっかりとマネジメント出来ているのか?と考えると、出来ていないんじゃないかと思います。

人材をしっかりと管理出来ないというのは、人材の能力を引き出せていないという事になります。 これはとても勿体無い事だと思います。

技能実習生を日本人と同じ給与水準にできるのか?

本日の日経新聞で、今後の技能実習制度の方針が掲載されていました。
外国人待遇不当なら企業処分 技能実習、受け入れ届け出制に

これは以前から議論されてきた内容で、本来であれば去年には国会で決まると予想されていましたが、政治的な混乱で決まらなかったという内容です。 今年は政局が安定しているので、ほぼ決定するのではないかと思います。

外国人技能実習制度に関してはいろいろな意見がありますが、制度として活用しやすいのは確かです。 その反面、教育のコストや招聘コスト、監理コストなどが企業負担となり、実習生の給与が上がらない(上げられない)という事実もあります。

技能実習制度は本来技術を新興国に対して移転する事が目的の、国際貢献の一貫ですから、入国後に企業は技術を実習生に教育する必要があります。
さらに海外での事前トレーニングで通常150時間、日本入国後に1ヶ月の研修、たったこれだけの研修でまともにコミュニケーションが出来る人材は育ちません。

そもそも、日本人よりも能力的に劣る人材に対し、日本人と同等の賃金を払えという事自体無理があります。

しかし、企業側も人材不足を補う為に多少の不自由があっても、労働賃金の安い技能実習生を使い、それでまともに企業活動を行ってきた経緯があるので、それであれば「日本人と同等の賃金を払いなさい」と言われてもしかたがありません。

能力の高い人材を育て、雇用すれば問題は無い

では企業は日本人と同等レベルの給料を外国人に払えないのでしょうか?
答えはNOです。

ユニクロはグローバル人事システムを採用し、日本人も外国人も同じ評価基準で給与を決めています。
他にも、日本人と同等の能力があれば外国人人材に、日本人と同じ水準の給料を支払っている企業はたくさんあります。

外国人でも日本人でも、企業で働く限りは労働をしその労働から企業は収益を産み出します。 その対価に労働者は賃金を受けとります。

仮にあなたの会社が、人材が集まらずにやむ得ずに外国人人材を活用しているのであれば、給与水準を今よりも上げる対価として、能力の高い人材を集めれば問題は解決します。

「いや、うちの会社では喋れなくても手だけ動かしてくれればいい、だから安い賃金で外国人を使っているんだ!」というのであれば、外国人技能実習制度から退場しなければいけなくなるかもしれません。

簡単な事なんですが、なかなかこれを出来る企業は少ないですね。

日本で活躍するフィリピン人人材のリアルを感じる

外国人人材の活用を考える