こんにちは、アジア人材コンサルタントの中西です。

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アベノミクスの恩恵を御社では受けていますか?

ほとんどの中小は、その恩恵は受けていないのが現状だと思います。

そもそも金融政策ありきで続けてきた景気対策の効果がいまいちのだったからこそ、15年ものデフレに苦しんでいるのに、このタイミングで異次元の金融政策を打って効果があるのか??

という経済論は様々なサイトでされているので、ここで偉そうに論じても意味がありませんね。

私がフィリピンで起業した当時(2011年頃)の、フィリピンペソ×円のレートは、10,000円で5550ペソくらいでした。

そして現在は、10,000円で3700ペソ程度ですから、価値にしておよそ3年前から33%程度下落した事になります。

これって凄い差ですよ。 今までは1万円でホテルに2泊できたのが、1泊しかできなくなった位の感じです。

ドル×円では、この数ヶ月のうちに・・・言うまでもありませんね。

しいて経済論者っぽいような発言をするならGDP換算がドルベースというのは、外的為替リスクに晒されるドル以外の通貨にとっては非常に不利な計算方法ですね。

経済がグローバル化している現在であれば、為替の基軸を通貨以外にして実体経済と分ける必要があると思うのは私だけでしょか?

例えばドルベース換算では無く、金本位制にするとか、仮想の基軸になる何かを設定すれば、実態経済で使う通貨と為替相場の基軸が分けられるので、人為的に相場を操作して経済をコントロールがしにくくなります。

ちょっと空想の経済論に走りすぎましたが、要はビットコインとかってそういう事でしょ?

という話の流れから、この為替リスクをどうやって中小レベルで活用するか?という事なのですが、為替自体は相場で値動きするので、この流れを個人レベルで変える事はできないのですが、逆に利用する事は可能になります。

例えば、トヨタをはじめとする製造業は、リーマンショック前後からのエネルギーコストの高騰と為替リスクヘッジを避けるため、現地生産化を徹底的に進めてきました。

これって単純に工場を賃金の安い新興国に作って、そこで地産地消しているとかってレベルではないですね。

金融相場リスクに対して、実体経済でリスクヘッジをする。 というのが本当の狙いだと思っています。

例えばアメリカと日本で物販をやっていたら、円が安い時には日本での生産稼動率を増やしてアメリカへの輸出額を増やし、ドルが安くなればその逆を行なえば、為替リスクを逆に上手く利用したビジネス展開が可能になります。

ここで問題になるのは、関税どうするの?という問題ですが、今ではEPA(経済連携協定Economic Partnership Agreement)やFTA(自由貿易協定英: Free Trade Agreement)などで、結構な品目が関税無しもしくは、限りなくゼロで輸出、輸入ができます。

通販などでは「送料0円」という当たり前の時代、物流コストはビジネスのリスクでは無くなりました。

ここで最後に人の雇用方法を一捻りすると、アービトラージ的レバレッジ経営が完成します。

アービトラージ的レバレッジ経営とか勝手な造語なので意味不明かもしれませんが、イメージとしては為替状況を考慮した上で、コストの安い場所で作り(仕入れ)、高い場所(価格)で売る、さらに各現地でマネージメント層を育てれば経営の画一化が出来るので、人材問題も解消してしまう、という最強にレバレッジが効く経営が出来てしまいます。

もうこうなると経営者は週に2~3回飛行機に乗って、各国の運営状況のチェックと、為替を含む経済指標を見て、何処の国でキャッシュを生み、何処にキャッシュを残せば一番「利益」が大きくなるかを考えればいいという状況になります。

そもそもこんな経営が中小企業で出来るのか?という意見はあると思いますが、業種によると思いますが可能だと思います。 特にFC化やノウハウか出来そうな業界であれば単純に、そのノウハウを他国に展開するだけなのでハードルは低いです。 更に資本面で不安であれば現地にカウンターパートナーを見つけ、ロイヤリティー的にビジネス展開すればいいと言う事になります。

先見の目があれば、会社の余剰資金を円高のうちに狙いたい国の現地通貨に換金しておいて、円安のタイミングで進出したらそれだけで、数10%の利益が生まれる事になりますね。

金融に国境は無いので、金融経済リスクに晒されている状態の中で、日本だけに留まるというのは最大のリスクになります。 全てを日本国内で賄うなら別ですが、輸入製品を使う以上それはムリですね。

たまにはグーグルアースでも見て、グローバルな教養を深めてみてはいかがでしょうか?

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