「アジアの力を日本へ届ける」コンサルタントの中西です。
人材採用(獲得)コストを考えた事はあるでしょうか?
人材採用コストには、人事担当者コスト、募集広告コスト、採用後の育成コストなどを総合的に計算して、一人当たりの人材採用コストが割り出せます。が・・・
これを中小企業で数値化するのは非常に大変な事です。 それは一般的な中小企業の場合、必ず毎年新規採用を行なう訳ではありませんし、人事を社長もしくは役員が行なう場合が多いので、人事担当者コストを度外視している場合があるからです。
一歩踏み込んで人事採用コストを考えてみる
本日は80億円程度の売上げ規模の土建業の会社様へ、新年の挨拶と人材採用に関して面談を行なってきたのですが、そこの社長様は外国人活用に関して積極的でご自身で海外へ出向き人材の採用を行なっています。
その企業の悩みは、「良い人材を採用し続けるにはどうすればいいか?」という事です。 その答えを見つけようと模索しながら、この企業ではフィリピン人技能実習生を採用しています。
当り前の事ですが、株式会社などの営利企業の目的は利益を上げる事です。 そして労働を提供する従業員の目的は、給料(報酬)をもらう事です。 これは外国人人材でも同じで、いわゆる出稼ぎに来る外国人労働者であればその意識は非常に高いです。
では「良い人材を採用し続けるにはどうすればいいか?」という一つの答えですが、技能実習生のように採用コストがほとんど掛からない採用方法の場合、自社で本来かかる採用コストを計算しその浮いた分を人件費に転化するという方法です。
企業と就労希望者がお見合いをする
おそらく大半の企業、特に技能実習生制度を活用している企業では、外国人人材に高い給与を払いたく無い、その理由はコミュニケーション能力(日本語能力)や技術力が日本人より劣るから、という理由が多いと思います。 しかしコミュニケーション能力を除けば、外国人人材の方が日本人よりも従順に、場合によっては技術力が高いというケースもあります。
就労希望者からすると、求人を行なっている企業の情報があまりにも少ないので、どの企業に応募しても同じという結果になります。 これでは技術力が有っても、わざわざ語学力やその他のスキルを伸ばしていい企業に採用されようという気にはなりません。
日本での求人募集というのは、それなりに細かく求人内容が提示されていて、そして求職者はその情報を元に自分でも相手企業をリサーチし、条件が自分に合ってかつやりたい仕事の場合に応募をします。 企業は求職者に好きになってもらう努力をし、求職者は求人企業に好きになってもらう為に努力するという、ある意味お見合い的な感じだと思います。
これが現状の技能実習制度の場合、企業は基本的な求人情報を提示します、求職者はそれを見て応募しますが比較する企業が少なかったり募集企業の情報が少ないので、ほぼ選ぶ権利がありません。 これでは出来レースのような感じになってしまい、競争原理が働きません。
求人も求職も努力が大切
話しは戻って、本日訪問した企業の社長様が言っていたことで印象的だったのは、「その人材を選んだのは自分」という言葉です。
確かに、面接をして採用を決めるのは企業の採用担当者です。 しかし現在の技能実習制度の面接方法は、一発勝負的な要素が多分にあるので、よほどの目利きがない限り良い人材を採用し続けるというのは不可能です。
では結局どうやって採用をすればいいの?という事になるのですが、その一つの答えが、前記した浮いた採用コストを給与に上乗せするという方法です。 もちろんこれは仕組み化の中の一つなので、これで完結出来る訳ではありませんが、良い人材に対し給与を上げるという事は、良い人材に自社を選んでもらいやすくなるという事に繋がります。
外国人人材の採用に関しては、アセアン諸国よりも給与水準が高い日本うちは仕組み化して効率的に能力の高い人材を採用し続けられるので、それに気づき早く動いた企業は人材から大きな利益を生み出すチャンスがあります。
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