「アジアの力を日本に届ける」コンサルタントの中西です。

外国人がどの程度日本語(漢字)を書けるか、気になったことはありませんか?
非漢字圏の外国人からしたら、漢字は絵にしか見えないと思います。
私達がアラビア語をみて「なんだコレ、どうやって読むの?」というレベルと同じだと思います。

ちなみにアラビア語はこんな感じです。
Happy birthdayという意味です。
arabic
全く読めません・・・。

フィリピン人からすると、漢字もこのくらい絵に見えると思うのですが、そんな難しい日本語を前回に引き続きインターナショナルケアナース候補生が、研修の一貫として来日した際に、手書きの「日本へ来た感想文』を書いてくれたのでご紹介します。
他の候補生(ジャーシ編)の記事はこちら

漢字や文字の書き方もそうですが、文章を自分で考えて構成している点にも注目して下さい。

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いかがでしたか?

ロレインは日本語の勉強は、このプロジェクトに参加する前までは経験は無く、トレーニング開始から研修来日時までの学習期間は約7ヶ月です。

ジャーシの記事でも書きましたが、なぜ彼女が非漢字圏の人では習得が難しい日本語をここまで短期間で習得出来たのか?
それは、学習方法に一工夫、二工夫をしたのはありますが、結局一番大きな要因は本人のやる気です。

元々このプロジェクトは当初150名ほどの生徒が在籍していましたが、最後まで残れたのは10名程度です。
全体の7%程度しか残れていない事になります。

もちろんこの数字は、全員がプロジェクトを理解して参加していたという訳ではないので、もうすこし絞り込んだ数値でいうと、150人の半分程度が最初の段階である程度やる気のあった生徒、つまりその他は申し込みや参加表明はしたが、実際にはほとんどトレーニングを積まずにドロップアウトした事になります。

なので、正確な数値でいくと
75名の中から⇒10名が残った
つまり、15%が最終候補生として選ばれた
という事になります。

よく日本ではアセアンには若年層労働力が豊富にいるので、人材を選び放題的な報道や誤った認識がされていますが実はそうではありません。
黙って手だけ動かしてくれていればいい、というのであれば確かに人材は豊富にいるかもしれませんが、そもそもそういった単純作業を受け入れる日本の入管法は存在しません。
さらにそういった人材は当然それなりの質の人材だと思わなければいけません。

どうすればよい人材を確保できるか?育成できるか?をしっかりと考えられれば、外国人人材を活用するメリットは最大化すると思います。

アセアンなどの新興国は日本よりもGDPが小さいのは当然ですが、産業構造に問題も抱えています。
それは、労働人口に対し求人が少ないという事です。 失業率の高さもそうですが、自国産業自体が少ないので、求人社数が少ないです。
能力があっても自国に産業(仕事)がないので海外に行けるチャンスがあれば、もちろん大量の人材が応募してきます。
その大量の人材を見て=労働力が豊富だと単純に考えてはいけません。
さらに、近代化された日本の産業では、人材の量よりも質が求められつつあるので、新興国の労働力の多くが日本の求人にマッチするとは思えません。
『アセアン(新興国)=豊富な労働力=自社に適した人材が豊富』だと思い込んではいけません
ポイントはどのように応募者をふるい落とし、さらに残った応募者をふるい落としながら鍛え上げるか、というのが新興国の人材を育成する重要な鍵になると思います。

現在では、交通、通信、流通など様々なインフラコストが下がっているので、昔のように大企業しか出来なかったようなグローバル人材の育成を、中小零細企業でも行なう事が可能になりつつあります。
おそらく弊社が人材育成マネージメントを行うフィリピンであれば、人材募集・人材育成コストは日本の1/5程度で済むと思います。

話しはだいぶ膨らんでしまいましたが、弊社の最終選考に残った生徒は、しっかりとふるいにかけ育てあげた人材ということです。
とうぜんこの過程で、人材を見切る際に大なり小なり掛けたコストを見切るという作業も生じましたが、それでも人材募集・人材育成コストは日本よりも大幅に安いです。

外国人人材を活用するのであれば、しっかりと人材育成プランを考えて行うことが重要だと思います。

日本で活躍するフィリピン人人材のリアルを感じる

外国人人材の活用を考える